羽田鉄筋のよもやま話~雑学講座15~

羽田鉄筋のよもやま話~雑学講座15~

皆さんこんにちは!

羽田鉄筋工業、更新担当の中西です。

 

~多様化~

鉄筋工事は、コンクリート構造物の強度や耐震性を支える“構造の骨格”として、建設現場の中核を担う工種です。かつては「寸法通りに組む」「現場で曲げる・縛る」が主流でしたが、近年は建築技術の高度化、施工効率の要求、環境配慮の観点から、鉄筋工事のあり方も大きく変わり始めています。

鉄筋工事における多様化の現状とその背景、未来への展望を技術・工法・人材・社会的意義の観点から深掘りして解説します。


1. 使用される鉄筋材料の多様化

近年、鉄筋の素材や形状そのものにも多様化が進んでいます。

  • 異形鉄筋(D10〜D51):最も一般的で、多くの構造体に使用。

  • エポキシ樹脂被覆鉄筋:塩害や湿気の影響を受けにくく、海沿いや橋梁に最適。

  • ステンレス鉄筋:腐食耐性が極めて高く、長寿命が求められる建物に。

  • 溶接閉鎖型フープ筋:地震時の破壊を防ぎ、耐震性を高める。

用途や地域環境、耐用年数に応じて、鉄筋も“選ぶ時代”に入っており、工事会社の材料選定能力が問われる時代となっています。


2. 加工・組立技術の多様化

従来の鉄筋工事では、現場での曲げ・切断・結束が中心でしたが、最近ではプレファブリケーション(工場加工)やデジタル対応が進み、施工のあり方も変化しています。

  • 工場での事前加工(プレカット・プレベンド)により、現場での加工負担を削減

  • ユニット鉄筋(鉄筋をパネル状にユニット化)で施工スピードを向上

  • 機械結束(ツールタイ)やスポット溶接の導入により、人手不足対策に対応

  • BIM・3D鉄筋モデルの活用で、干渉確認や施工ミスの削減

これらは、生産性向上・施工品質の均一化・安全性向上に直結しており、現場と設計・工場が一体化する「次世代型の鉄筋工事」が現実のものとなりつつあります。


3. 対象構造物の多様化

鉄筋工事は、建物だけでなく多岐にわたる構造物に対応しています。

  • ビル・マンションなどの一般建築物

  • 橋梁・ダム・高速道路といったインフラ構造物

  • 耐震補強・増築・補修といったリニューアル工事

  • 免震・制振装置との組み合わせによる複合構造物

さらに、地下構造物(シールド工法・ケーソン工事など)や狭小地対応の特殊組立など、施工環境が厳しい現場でも求められる技術です。

鉄筋工事は「新築だけではない」時代に入り、“構造を作る”から“構造を支え直す”役割へと展開しているのです。


4. 人材と働き方の多様化

鉄筋工は「きつい・汚い・危険(3K)」の代名詞のように語られてきましたが、現在では働き方や人材確保の面でも多様化が進行しています。

  • 女性鉄筋工(テツジョ)や若手職人の育成に取り組む企業の増加

  • 外国人技能実習生・特定技能者の導入と、それに対応した教育体制の整備

  • ICT活用・ロボット支援による高齢者の就業継続

  • 週休2日や完全週休制の導入による就業環境の改善

これらは、持続可能な建設業界の実現と、鉄筋工事業の社会的地位の向上にもつながっており、“人を育てる産業”としての使命も強くなっています。


5. 社会的役割の多様化

鉄筋工事は、経済的な役割だけでなく、社会的インフラの安全と人命を守る役割を担っています。

  • 地震に強い構造体づくりに貢献し、減災・防災の最前線に立つ技術

  • 橋梁や高速道路の耐久性を支え、物流や経済活動の安定に寄与

  • 耐久性の高い建物をつくることで、再建・修繕にかかる公費や環境負荷を削減

つまり、鉄筋工事は単なる「工事」ではなく、“社会と命を支える技術”としての使命を持った専門職種へと進化しているのです。


鉄筋工事の多様化は、建築の未来を編む力

鉄筋工事は今、大きな転換期にあります。素材、施工技術、対象構造物、働き方、社会的意義そのすべてにおいて、進化と変化が求められています。

  • 技術の進歩が生産性と品質を向上させ

  • 現場の知恵とデジタル技術が融合し

  • 人材の多様化が業界に新たな風を吹き込み

  • 建設業界における安全・安心・持続性を実現していく

まさに、鉄筋工事の多様化とは「建築の未来を編み上げる力」そのものなのです。

 

 

羽田鉄筋では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

詳しくはこちら!